千葉大学先進学術賞 受賞者による研究発表会及び授賞式が行われました

2021年11月30日

研究?産学連携

 2021年度千葉大学先進学術賞は、以下5名の受賞者を決定し、2021年11月11日(木)に受賞者による研究発表会が行われました。また、同年11月16日(火)に授賞式を行い、中山俊憲学長から、受賞者に表彰状が手渡されました。

【2021年度受賞者】
 大学院理学研究院  堀田 英之  准教授
 研究テーマ:大規模数値シミュレーションを用いた太陽磁場?黒点形成機構の研究
       Investigation of generation mechanism of solar magnetic field and sunspot with large-scale numerical simulations


 大学院工学研究院  山田 真澄  准教授
 研究テーマ:微小流体デバイスを用いたバイオマテリアルの微細加工と細胞の精密培養
       Microfabrication of biomaterials using microfluidic devices for precise cell cultivation


 大学院園芸学研究院  島田 貴士  助教
 研究テーマ:植物脂質の増産に向けた新技術の開発 ~基礎研究から応用研究へ~
       Development of novel technology to increase plant lipid production -from basic sceince to applied science-


 大学院薬学研究院   根本 哲宏  教授
 研究テーマ:複雑分子合成のための新規有機合成手法の開発と展開
       Development of novel synthetic methods for complex molecules and their applications


 環境リモートセンシング研究センター  小槻 峻司  准教授
 研究テーマ:大規模数値シミュレーションとデータ同化による地球環境?災害予測に関する研究
       Environmental and Disaster Predictions Through Numerical Simulation and Data Assimilation with High Performance Computers

  • 左から柳澤副学長、根本教授、小槻准教授、島田助教、中山学長、山田准教授、堀田准教授、藤江理事

【受賞のコメント】
 大学院理学研究院  堀田 英之  准教授
 「この度は、千葉大学先進学術賞を授与していただきありがとうございます。我々に馴染み深い太陽ですが、多くの未解明の謎が残っており魅力的な天体です。引き続き、大規模なスーパーコンピュータを用いて世界最先端の研究を続けられるように精進してまいりたいと思います。」

  • スーパーコンピュータの計算で再現した太陽内部の様子

 大学院工学研究院  山田 真澄  准教授
 「マイクロスケールの流路構造を作製し応用することで、細胞1つ1つの微小環境を制御しながら培養するための新規材料やシステムを開発してきました。今後もバイオ、化学、工学などの様々な知識を駆使したミクロの世界のものづくりを通して、社会に役立つ技術開発に取り組んでまいります。」

  • マイクロ流路を用いて作製した細胞培養用バイオマテリアル

 大学院園芸学研究院  島田 貴士  助教
 「この度は栄誉ある賞をいただき光栄です。植物の脂肪滴は、脂質を貯めるだけでなく、非常に多様な機能を持った構造体です。私はその魅力に取りつかれて、大学生のころより一貫して脂肪滴の研究を行ってきました。脂肪滴が持つ分子機能の面白さを伝えるだけでなく、人間社会に役立つシーズを生み出せるよう、今後も研究に邁進していきたいと思います。」

  • 植物の脂肪滴研究の概要

 大学院薬学研究院   根本 哲宏  教授
 「2003年に千葉大学へ赴任後、有機合成化学を基盤とした基礎薬学研究に取り組んできました。仕事というより半ば趣味の延長として、いかにしてボスキャラを華麗に倒すかを考えるゲームに近い感覚で、ここまで楽しく過ごしてこられたのも、全てはご指導頂いた先生方、私のフワッとしたイメージを3割、4割増しで形にしてくれる研究室のスタッフ、これまで一緒に戦ってくれた沢山の卒業生、現役学生のおかげです。ありがとうございます。」

  • 複雑分子合成のための新規有機合成手法の開発と展開

 環境リモートセンシング研究センター  小槻 峻司  准教授
 「この度は千葉大学先進学術賞に選出いただき、誠に光栄に思います。本研究を進めるにあたり、共同研究者の皆様、及び、研究室メンバーに大いにサポートいただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。毎年の様に引き起こされる水災害に加え、眞鍋淑郎先生のノーベル物理学賞選出など、地球環境予測分野は大きく注目されています。研究室を日本随一の環境予測科学研究の拠点に育て、社会問題の解決に貢献できるよう、これからも情熱をもって研究を進めていきたいと思います。」

  • スーパーコンピュータで計算された世界の降水予報

【2021年度千葉大学先進学術賞】
 千葉大学先進学術賞は、次代を担う若手研究者の自立を促し、独創性の高い学術研究の発信に貢献するため、萌芽的な研究あるいは、独創的視点に立った研究等、高い研究能力を示した若手研究者個人を表彰するとともに当該個人に対し研究費の支援を行っています。
 2021年度の授与にあたっては、各部局長に推薦依頼を行い、推薦のあった候補者14名について学術研究?イノベーション推進機構研究支援?推進会議における審査を経て、受賞適格者を学長へ報告し、5名の受賞者を決定しました。

※過去の受賞者については、こちら(千葉大学先進学術賞)からご覧ください。