フェロセン分子の「世界最小?分子マシン」機能を発見!
~新たな触媒?分子エレクトロニクス?量子材料の開発へ~
2024年12月11日
研究?産学連携
千葉大学大学院工学研究院の山田豊和准教授、ピータークリューガー教授の研究グループ、分子科学研究所の解良聡教授、台湾國立清華大学の堀江正樹教授の研究グループから成る国際共同研究チームは、世界で初めて、固体表面上でフェロセン分子を壊すことなく固定できることを実証しました。この発見は、走査トンネル顕微鏡(STM)装置を用いた表面観測により、様々な原子?分子?イオンを取り込むことのできる「クラウンエーテル環状分子」と、有機金属化学材料として広く知られる「フェロセン分子」を使うことで、実現しました。
本研究におけるさらなる成果は、この1個のフェロセン分子の上にSTM探針を固定し、電気信号を印加することで、フェロセン分子を可逆的に動かすことができる、という発見です。つまり、フェロセン分子が「世界最小?分子マシン」として機能することを意味します。本研究成果は、分子マシン機能を用いた触媒や分子エレクトロニクス、量子材料など幅広い分野への活用や、未来のゼロエミッション社会の実現に大きく貢献することが期待されます。
本研究成果は、2024年11月30日に学際的な科学ジャーナルSmallでオンライン公開されました。