有機ELを光らせながら内部の電位分布を調べる手法を開発
~有機ELディスプレイの長寿命化?高効率化へ貢献~
2025年03月21日
研究?産学連携
千葉大学大学院工学研究院の宮前孝行教授と大学院融合理工学府博士前期課程2年の鏑城竜也氏らの研究チームは、有機EL(OLED)をはじめとする有機デバイスに電圧をかけて駆動した状態で、内部の電位分布の状態を調べることのできる全く新しい計測手法を開発しました。構成の異なる有機EL素子をこの手法を用いて調べることで、有機EL素子内部に組み込まれた極薄有機層が、内部に元々生じている電位の状態を変化させて発光効率や素子の寿命に影響を与えていることがわかりました。
この計測法により、次世代有機EL素子の動作機構解明や長寿命化、また、省エネルギー化や低コスト化に必要な新規材料の開発の可能性が開かれました。さらに、それら新材料を実際の素子に組み込んだ際の電荷輸送特性を、分子レベルで解き明かすことも期待されます。
本研究成果は、2025年3月10日に、英国学術誌Journal of Materials Chemistry Cに掲載されました。
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ESFG分光装置の概略図