令和6年度千葉大学学部卒業式?大学院修了式?学位記授与式 卒業生答辞(第二部)
開花を待つ桜のつぼみの息吹に心華やぐ季節となりました。本日は、ご多忙のなか、教職員のみなさまをはじめ、ご来賓の方々のご臨席を賜る、盛大な卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。ただいま、横手学長より告辞を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。また、式典の挙行に向けてご尽力いただきましたすべてのみなさまに卒業生?修了生一同、心よりお礼申し上げます。
清々しい春の風を感じながら、卒業という事実に向き合うとき、私たち1人ひとりが、さまざまな思い出と未来への希望を胸に抱いているに違いありません。
私が入学した2021年の春、世の中は回復に向かいつつも依然としてパンデミックの影響を強く受けていた時期でした。多くの交流が制限された反面、自分1人の自由な時間が多く存在したのです。突然与えられた自由に少なからず困惑する中、私は関心をもった講義を手当たり次第に受講しました。受講していた当時は予測できませんでしたが、パラダイム論や研究法をはじめとした講義は今でも私の視点や手法として生かされています。学問分野を越えた統合的な視点を持てることが、国際教養学部の魅力の1つです。
国際教養学部では、学部3年間の授業で得た統合的な視点を基に、メジャー研究と呼ばれる卒業研究を行います。私は、昨今社会的注目の集まる子どもの主体性に着目し、高校に協力をいただいて卒業研究のテーマとしました。実施した調査の結果、子どもが主体的に活動することで、子ども自身のみならず、子どもを支える周囲の環境にも好影響を与えることが分かりました。子どもに限らず、人は、他者との交流の中で自身を捉えなおし、成長していくのだと思います。
私たちは今日千葉大学を卒業し、各々が自分で決めた道へと歩んでいくこととなります。みなさまのご多幸をお祈り申し上げます。自身を自由な環境に置き、他者との交流の中で自分を見つめなおすことで道を切り開いていくことができると私は信じています。
最後となりましたが、本日に至るまでご指導、ご支援してくださった先生方、職員の方々、切磋琢磨しあった友人たち、私の選択を尊重し惜しみない支援をしてくれた家族に改めてお礼申し上げるとともに、千葉大学の輝かしい発展を祈念いたしまして、答辞とさせていただきます。
令和7年3月23日
卒業生?修了生代表
国際教養学部 国際教養学科
西尾 崇和