新卒応援ハローワークの担当者から見た留学生の就職活動
インタビュー日:2020/12/23(水)
千葉新卒応援ハローワークの方にお話を伺いました。これまで数多くの外国人留学生の就職を支援してきた経験を基に、日本の就職活動において大切なことをお話しいただきました。
Q.まず初めに千葉新卒応援ハローワークのお仕事について教えて下さい。
千葉新卒応援ハローワークは、留学生に限らず、大学生、専門学校生、短大生、あと高校生、たまに中学生も、就職の応援をしています。応募書類の添削、面接の練習、就職全般の相談に乗る仕事をしています。新卒応援ハローワークでは、窓口に来た人の対応、相談にのっています。
Q.千葉大学の学生からはどのような相談を受けることが多いのでしょうか。
日本語能力試験1級(N1)を持っていても、履歴書を書く時や面接のマナーは、やはり本国とはまったく違うので、そういった練習や添削に来られます。
Q.千葉大学の学生が就職に強い職種や業界はありますか。
千葉大生の場合、相談を受けるのは工学部の方が多いので、その専門性を生かしたような仕事、技術職ですね。化学や技術系などが多く、わりと大手企業に行かれる方もいるという印象です。
Q.日本と諸外国の就職活動の違いについてはどのように認識されていますか。
自己表現の仕方が大きく違うと考えています。海外の方にとって、直接的に自己アピールをするのは普通のことです。日本のように謙虚さや礼儀正しさ、言葉遣いなどを重視した表現は慣れていません。それに加え、自己分析を深めてから取り組む日本の就職活動は、留学生には言葉の壁もあるので、より難しく感じられます。その結果エントリーシートや面接の応答などで、日本の企業の要求に応えられないことも多いようです。
そのため、留学生については、日本の企業が就活で求めてくることをふまえて、取り組む姿勢や自己分析の伴走などに力を入れています。 私個人としては彼らの個性はとても素晴らしいので、もっと尊重されてもよいのではと感じています。
Q.面接の際に気をつけるべきことはありますか。
先程の申し上げた通り、謙虚な姿勢を少し見せるなど、日本人と一緒に働くことができるという側面も出していかないといけません。たとえば、日本の就職活動の面接では、部屋のドアをノックして入り、「よろしくお願いします」と言います。このような流れは、日本独自のやり方かもしれませんが、これを留学生の方にもやっていただきます。そうすると、日本の企業の方には「日本人と一緒に働ける方」という印象を持っていただけるのではないかと考えています。
Q. 謙虚な姿勢など、日本独自のやり方を留学生の方に理解してもらうために、どのようなアプローチをしていますか。
基本的には、説明すれば理解してくれます。「留学生活の中で、礼儀や言葉遣いが大切な場面ってありましたよね、そのように振る舞うことで受け入れられた経験があったのでは?」といった話をすると、「そうですね」というふうに納得される方が多いです。また、面接練習をした際に、「言い方をこう変えましょう」と具体的に伝えています。
〈ご協力してくださったハローワーク〉
厚生労働省千葉労働局 新卒応援ハローワーク
https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/roudoukyoku/gyoumu_naiyou/antei/ShinsotsuHW.html